〜四国自転車お遍路旅2日目〜 パンクは続くよどこまでも 後編

ごきげんよう

それのすけです!

 

 

さて前回までのあらすじ…

お遍路開始2日目、はじまったばかりなのにラスボス級の山登り「焼山寺」に挑む予定のワタクシそれのすけ。
88番あるうちのほとんど最初のほうの12番に最強の山登りをさせるなんて、弘法大師ってぜってぇドSだと思うんだ。
あとなんかパンクした。焼山寺まであと10キロと迫ったら、である。
そんでしょーがないから歩きで山登ろうとおもったけど無理だったのでヒッチハイクしたら車が止まったんだ。

…あらすじおわり

 

 

2018年5月9日

 

と、止まった!?、だと!?

まさかのヒッチハイク1発ゲットなのか???

おそるおそる車に近づいて、

「あのー…すいません。じゅ、12番のお寺にいきたいんです。あの、もしお邪魔でなければ一緒に…」

言い終わる前に、助手席の老夫婦の奥さんが

「あー大変よねぇ、今うしろ片付けるからちょっと待ってて!」

明るくにそういうと、そそくさと後部座席にスペースを作ってくれた。

あ、ありがてぇ…

あなた方は弘法大師さまの末裔(まつえい)かなにかですか?

後光がさしてみえるレベルの優しさ。

やってみるもんだよね。やっててよかったヒッチハイク

道中楽しく会話しながら山の頂上の駐車場まで送ってくれた。

名前はモリヤスさん夫妻。

お二人とも広島出身で(何を隠そう僕も広島生まれ)おおいにもりあがった。

息子さんが東京で働いていて、ボクがいま住んでいるところと同じ市に住んでいるんだとか。

不思議な縁がありますねぇ

なんてお互い言いながら境内を参拝した。

車で来たら一瞬だったけど、これはたしかにハンパない激坂の連続…

これを一人歩いて登って降りる予定だったのを思い出しゾッとする。

降りる頃には18時を確実にまわっていただろう。

よかった…ホントになんとかここまでこれて。

そして今日の1番の目標、12番のご朱印ゲットォぉぉぉ!!!!!

ほんと今日ご朱印もらえてなかったら地獄だった…

駐車場までいったら、モリヤスさんが待っていてくれて
帰りも途中まで送ってくれると言ってくれた。

神がいました。ここに現人神(あらひとがみ)がおわします。

帰りも車でスィーッと快調に降りることができてめちゃくちゃ効率よく焼山寺をクリアすることができた。

パンクを直してもらっている自動車屋の近くのコンビニで降ろしてもらった。

モリヤスさん!ホントにありがとうございました!

捨てる神あれば拾う神ありとはこのこと。

さて問題は自転車のほうだ。

例の自動車屋さんにいくとすでに直してくれていたみたい。

ボクの帰りがあまりにも早かったんでおどろいていたw

何かがタイヤに刺さってパンクしたみたいだけどタイヤには何も残ってなかったよー、じゃあ修理代コレね。

お礼を言って、修理代の1,300円を払った。

よかった。。。

これでなんとか荷物を置いたところまで帰れそうだ。

よし、きた道のりの20キロを戻ればいいだけだ。

楽勝楽勝☆

時間にも少し余裕ができて、モリヤスさんにもよくしてもらったおかげで気分は上々。

帰りは、来た道とは違う坂道の少なそうな道を選んだ。

来るときはけっこう坂ばっかりで中々キツかったんでね。

予想通り坂がほとんどない最高の道だった。景色もいい!

これは、キテるわーっ!!!

完全にエンペラータイム(無敵状態)に入ったことを確信し、少し止まって水でも飲もうとしたら、

プスンッ…

ん?

どうした?

後輪が、直したばかりの後輪のタイヤがぁ、、、

みるみるうちにしぼんでいく

ちょ、ちょ、

ウソだろ…っ!

本日2回目のパンク。ご開帳でございます。

しかもこの道、景色はいいんだけど、交通量がほとんどない田舎の裏道である。

たまーに通っても、軽自動車ばっかりなので自転車も一緒には乗せてもらえない…

荷物を置いてある場所までまだ15キロ以上ある。

さっきの自動車屋までもどるか?

いや、もう5キロぐらい進んできてるし今更ムリだ。

しょうがなく再びパンクした自転車を押しながらトボトボ歩き始めた。

5分歩き、10分歩いても車どころか人っ子ひとり通らない…

あぁ…詰んだ。。。

荷物を積んでない軽トラックでも通れば最高なのに、、、

 

んん?

んんーーーーーーーーッ!!??

 

軽トラック(荷物を積んでいない)キターーーーーッ!!!!!!!!!!!

 

必死で手を挙げて乗せてくれアピールをすると

驚くほどすんなり止まってくれた。

 

「兄ちゃんパンクか!?うしろに自転車のっけな」

 

農家っぽいおっちゃんがこころよく助手席に座らせてくれた。

 

徳島人やさしすぎ

 

ヒッチハイク成功率100パーセントw

 

いやぁ今度もほんと助かった…

 

「これから3キロ先の出荷場によったら自転車直せそうな自動車屋が2つくらいあるところまで送ってってやるよ」

初老のおっちゃんはお茶の葉を出荷しにいく途中だったらしい。

やっぱり農家の方で、徳島名産のスダチなんかも育ててるんだってさ。

荷台をよく見ると大きな網袋に入ったお茶っ葉が2袋分ぎっしりつめられている。

ほどなくだれもいない倉庫についてそこにお茶っ葉を置くのを手伝った。

そこからさらに3キロほどいった自動車屋の前でおろしてもらった。

お茶のお父さん、ほんとにありがとうございました!

さて自動車屋のトビラをあけて

ごめんくださーい!と叫ぶけど何も反応がない…

しばらく待ってみたけど、誰もいないようなのでまた自転車を押して歩きはじめた。

お父さんの話だと、ここからまたさらに下ったところにもう一つ自動車屋があるらしいのでいってみる。

30分ほどで着いて、聞いてみるが工具も道具もないから直せないとのこと。

さらに3キロ先の自転車屋さんに行ってみればとオススメされ、

実際に行ってみるけど道具を取扱ってないらしく修理は無理だと言われてしまった。

すべて手詰まりになってしまった。

まだ距離は10キロ以上残っている。

歩いていったら到着は20時を余裕でこえるだろう。そこから今日キャンプする場所なり、泊まる場所を考えないといけないと思うと深いため息がもれた。

その瞬間疲れといらだちで足がもつれ自転車のペダルが思いっきり右足にぶつかった。

 

クソッ、なんなんだよっ…!!!

カッとなって自転車を川に投げ捨てたい衝動にかられる。

痛みでしばらく動けなかったけど、なんとか気持ちを持ち直してまた歩きはじめた。

ふんだりけったり、最低だ。

2キロほど歩くと川の対岸にスズキ自動車の看板がみえた。

営業時間的にもたぶんこれがラストチャンスだろう。

祈るような思いで聞いてみる。

あんまり自転車は直したことないけどやってみるわー

と引き受けてくれた。

 

たぶん相当悲壮感ただよう顔をしてたに違いない。

 

自動車屋のお兄さんは手際よくパンクを直してくれた。

助かった。これでまだなんとか頑張れそう。

パンクなおしてもらったのにさらに

途中休憩の時に食べてと

菓子パンとお茶までいただいてしまった。

 

だから徳島の人やさしすぎ…

 

なんだか自分が情けないのとありがたいのとで涙が出そうになったけど

丁寧にお礼を言ってその自動車屋を離れた。

いいことと悪いことがこんなにも交互にあると、もう頭が混乱してくる。

ともかく今度こそパンクは直った。

 

急いで戻って宿を探そう!

 

置いてきた荷物の場所まであと3キロぐらいのところまで戻ってきた。

 

ずっと走りっぱなしだったので少し休憩して頂いたお茶でも飲もうと自転車をおりようとした瞬間

パス〜〜ッ…スーッ…

 

気の抜けた音がして、またもや後輪のタイヤがパンクした…

 

アーーッ!!!!

 

もういい加減にしてくれ…っ

 

完全に気持ちの糸が切れてその場に座りこんでしまう。

10分ほど動けなかったけどさすがにあたりがまっくらになりはじめたので無理やりカラダをおこして自転車を押す。

 

 

30分後、

ようやくようやく、荷物がある場所までたどり着いた。

 

パンクはもう明日直すことにして、宿をさがした。

今からテントを張る元気は1ミリも残ってなかった。

宿のベットに倒れこむように横になった後のことはおぼえていない。

 

ほんとに長い、ながーい1日でした。

おわり

 

 

3日目の話につづく…

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