〜四国自転車お遍路旅2日目〜 パンクは続くよどこまでも 前編

ごきげんよう!

それのすけです。

パンクはしなない。パンク イズ ネバー ダイ

今日はそんな支配社会へのアンチテーゼ的な、アナーキーなお話。

を、するつもりは毛ほどもありません!つまりは毛頭ない。

MOUKON is already die

もうね、あれの話。

パンクはパンクでも自転車のタイヤの話ね。

 

みんなパンクしたことある?

 

あれ、すごいな。人生でそんなに体験することはないだろうとタカをくくってた。

まぁあってもせいぜい生涯で5回ぐらいかなぁ

なんて甘っちょろいこと考えてた。

 

完全に誤算。そうつまりは誤ったわけだ、見積もりを。

 

実際この歳になってパンクを経験すると世界観変わりますね。

あ、音楽の話じゃないですよ。

なんつーか、愛しさと切なさと心強さとか感じる気配はみじんもなく

ただただ怒り心頭。

シンプルに腹立たしい。

まごうことなき憤怒。

 

もうね、僕の中の怒りという怒りが脳内大運動会を繰り広げた。

そんな話をしようと思います。

聞いてください『アンチテーゼ』

 

 

2018年5月9日 晴れ

 

古めかしいホテルの一室で目がさめる。

時間は朝6時。よし、予定通りだ。

昨日は隣の部屋のおっさんのいびきがうるさくてなかなか寝つけなかった。

部屋の壁がうすいのだろうか。それともおっさんのいびきが120デシベル(飛行機のエンジン音ぐらい)をゆうにこえていたのだろうか。

真相はいまだ闇の中である。

すこし体がダルいけど、軽めの朝食をすませ急いで身支度をして宿を出た。

昨日時間をオーバーして5番札所のご朱印(納経帳にもらう参拝のしるし)がもらえなかったのでリベンジに向かう。

納経所は7時から開いているので、7時にすぐご朱印をもらってできる限りたくさんのお寺を周りきりたいのが本音。

 

昨日は予定していたお寺数を全然まわれなかった…

 

それと今日はお遍路の最難関ともいわれている

12番札所、焼山寺をせめる予定だ。

 

なので合計8ヶ所のお寺を巡るわけだ。いわずもがな、これは中々のハードスケジュール。

サクサクいかないと日が暮れてしまう。

 

グーグルのナビを頼りに5番寺に再びやってきた。

昨日のうちに本堂と大師堂には参拝をすませてあるので、直接納経所に向かう(参拝をすませてからご朱印を頂くのがマナー)。

サクッと5番札所地蔵寺クリア!!!

6番もそこまで離れていない、すぐに自転車にまたがり次のお寺さんへ。

明朝はまだ雨がぽつぽつ降っていたけどようやく晴れ間がみえてきた。

ここらへんのエリアは田舎の田園風景がどこまでも広がっていて見晴らしがいい。美しい山々との調和が楽しめる。

気分も徐々にあがってくる。

やっぱり晴れるとモチベーションが全然変わってくる。

6番宝楽寺もなんなくクリア!

 

気温も20度を越えてきて自転車をこいでるとホント気持ちいい。

続いて、

7番十楽寺!

すぐ近くの

8番熊谷寺

この寺の雰囲気がすごく好きだったなぁ。自然と一体で飾らない感じがする。

これまでまわってきたお寺で一番よい。

 

さあ続いて続いて、

 

9番法輪寺!

よーし順調、順調。

このままいけば午前中には11番までまわれそうだ。

少し余裕が出てきたので法輪寺向かいの茶屋で草もちを買ってたべた。150円。

お店のおっちゃんと少し話ながら、すぐにペロッと食べてしまった。手作りでとてもうまい。

ボトルに水までいれてもらえた。親切な店だ。

自転車に乗ろうとするとさっきのお店のおっちゃんが声をかけてきた。

「おーい!兄ちゃん!これ途中で食べてき」

ほいっ、と焼き芋の差し入れ。

こころがあったくなるね。

おじさんどうもありがとうございました。

気分もさらによくなって、ルンルンで自転車をこいでいると農家のおばあちゃん2人組が僕が来た道の方を指さして

「9番札所はあっちだよ〜」と教えてくれた。

ボクは

「10番はこっちの方であってますかー?」

と返す。

「10番はそっちであってるよー」

と答えてくれた。

結構迷う人いるんだろうな。なにせ9番札所は田んぼの真ん中にある。

やっぱり白衣(びゃくえ)を着ていると一目でお遍路さんってわかるからだろう、親切にしてくれる。

10番の切幡寺は、山の中にあってのぼり坂が続くのと、本堂のあるエリアまで行くのに階段を333段登らないといけないのでなかなかきつかった。

なんとか午前中に10番までたどりつけた。

これならもしかるすと13番以降もいけるかも。

とりあえずお昼ご飯でおにぎりとバナナで栄養補給。

来るべき決戦にそなえる。

そう『敵ハ焼山寺ニアリ』なのだ。

パパッと昼ごはんを片づけると荷物を減らして最小限のもので焼山アタックをこころみる。

貴重品を抜いて、自転車のリヤバック2つとテントをスーパーの近くの目立たない場所にくくりつけた。

チェーンもガチガチに巻いたのでたぶん盗まれはしないだろう。

のちにボクはこの判断を後悔することになる。

身軽になって11番の藤井寺を目指す。

たいはんの荷物を置いてきただけあってグングン前にすすむ!

お昼ご飯を食べてパワーもあるしでアッと言う間に藤井寺に到着。

よーし、すべては理想通りにことが運んでいる。ちょっと怖いぐらい。

グーグルマップをみると、焼山寺までの距離は30キロオーバー。

よしっ!と気合をいれてペダルをこぎだす。

平坦な道がながく続いているけど手を抜かず全力で駆け抜ける。

坂道でスピードが出なくなる前にできるだけ時間をかせぎたい。

そんなこんなで坂道ゾーンに入ると見た目はそんなにキツくないのに登り慣れていないからかすぐに足が限界になって押してあるいてしまう。

自転車に乗ったり降りたりを繰り返しながらようやく焼山寺まであと10キロのところまできた。

あともう少し、まだ2時をまわっていないのでなんとか5時には間に合いそうだ。

道もゆるやかな下り坂でスピードに乗っているときに悲劇がおきた。

パスんッ!

スーッスーッスーッー……

後輪のほうで何か音がした。

するとすぐに自転車が重くなったので自転車をとめてタイヤのほうをみると、見事にパンクしていた。

ウソだろ…!?

そんな、ここまできて、、、あと10キロなのに…

とにかく近くにパンクがなおしてもらえるところがないか探さないと、

といってもすでに山を2つほど越えてきているので民家もそんなになく、ましてや自転車屋なんてありそうもない。

絶望的だ…

いや、しかし調べてみないことには。。。

スマホを取り出して検索をしようとしたら今度はスマホの充電がない。

まぁそんなこともあろうかと8回ぐらいスマホを満タン充電できるバッテリーをもってきているのだ!ぐわははは

と調子にのった刹那、充電ケーブルをおいてきた荷物に入れっぱなしだったことに気づく…

Nooooooooooo——————!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

一瞬目の前が真っ白になったが、コンビニが近くにあったのでそこで充電ケーブルを買った。

マジで無駄な金だが、背に腹はかえられぬ。ぐぬぬぬ…

断腸の思いで支払いをすませる。

急いで検索をかけると

自転車屋までは10キロ戻らないといけない…

非情な検索結果……

あぁ…オワタ…

完全に詰みと思われたが喫煙所にいたおじさんがファインプレーのアドバイス、ガソリンスタンドならもしかしたらとのこと。

それならここからすぐ近くにあった!!!

ダッシュで自転車をおしてガソリンスタンドに向かう

店員さんにおそるおそる聞いてみると

「ここでは直せないけど、少しいったところに自動車屋があるからそこでならもしかすると」

とのアドバイス。

よーしそれならと、早歩きで自動車屋を探す。

言われた通りの場所にそれはあった。

ソーッとドアをあけて

「すいません、パンクとかって直せますかね?」

と勇気をふりしぼってきいてみる。

「あぁ、予約の仕事があるから今すぐにはできないね」

なんともつれない答えだ。

しかし、ここまできて引き下がるわけにはいかない。

そもそもパンクが治らないことには置いてきた荷物を取りに帰ることすら今日中にできるかっていう事態なわけで。

「わかりました。これから12番札所までいってかえってくるのに2時間ぐらいかかるのでそれぐらいまでにできませんか?」

丁寧にお願いする。

「それじゃあわかった、いいよ」

との返事をもらえることができた。

よし、なんとか自転車のパンクはどうにかなりそうだ。

目下の問題は17時までに焼山寺につけるか?ということである。(納経所は17時にしまるため)

あと10キロ、普通の道なら2時間。山道を考えると3時間はかかるかもしれない。

現在の時刻は午後2時。

ホントにギリギリ間に合うかどうかといったところだ。

もしこれで間に合わないとなると、翌日またこの30キロの道のりを往復することになる。

あぁ…荷物を全部もってくれば、最悪ここの近くに泊まって仕切り直しが出来たのに…

つーか、置いてきた荷物にパンク修理キットもあったんじゃねーか!?

自分のマヌケ加減に腹が立ってくる。

しかし泣き言を言ってもはじまらない。今するべきことは可能なかぎりはやく焼山寺にむかうことのみだ。

道がだんだんと本格的な山道になってきた。勾配(こうばい)も急になってきて小走りが続かない。

もう歩きは無理だ…

 

日本ではやったことないけどヒッチハイクしか道はない!!!

思い出せ!2年前のあのオーストラリア2000キロヒッチハイクの旅を。

思い出すんだ!

あのときの親指の角度、そして笑顔だ!

 

歩きながらヒッチハイクすると決めたもののなかなか勇気がでず。3台くらいの車を見逃した。

何やってんだ!?もう時間がないぞ。

あがれ、俺の親指ぃ!!!あがれぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!

最後の勇気をふりしぼって親指をたかだかとあげた。

スーッ、ぴたっ!

気づいたらメタルグレーのセダンが止まっていた。

………。

 

うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!

 

一発ゲットキタァーーーーーーー!!!!!!!!

 

 

 

 

果たして、それのすけは無事に焼山寺にたどり着くことができるのか?そして自転車のパンクはどーなるの???

 

 

なんか長くなったのでPart2につづく…

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