〜四国自転車お遍路旅16日目〜 ついに結願!四国霊場88ヶ所を制覇したよって話

 

それのすけです。

 

 

始まりがあれば終わりがあるのが世の常ですが、実際終わってみると実感なんてもんはないことの方が多いなぁなんて思う今日この頃。

諸行無常。

 

お遍路はじめる前は、一世一代の大冒険(言い過ぎw)みたいな感じでこれが達成できたらとんでもない達成感が得られるじゃないかとドキドキしてたわけ。

1人悟空状態。オラ、ワックワクすっぞ!的な。

 

 

そんでいざはじまってみると、なんかもう日々生きるのに必死みたいなところありましたね。

そんでそんで、じゃあいざお遍路が終わったときの感情はどんなもんかっていうのは、、、

 

 

まぁその日の日記をごらんください。

 

無事!?四国霊場88ヶ所参拝終わった16日目ですどうぞ。

 

 

 

 

 

 

2018年5月23日 雨

 

 

風がバタバタとテントを打ちつける音で目がさめる。

ハッとして外に這い出してみる。

 

よかった…、まだ雨は降り始めていない。

 

昨日歩き遍路のおじさんが明日って雨なんだよね!?

って言われて、心からの

 

えぇ!?…マジっすか。。。

 

が飛び出た。

 

 

なんとかこの五色台の山を下るまでは雨は降らんでほしい。

急いでテントをたたんで出発。

 

ここ白峰寺から次の82番根香寺(ねごろじ)までは8キロぐらいある。

納経所が開く7時前に参拝を終わらせて次のお寺に少しでも早く行きたい。

今日中に88ヶ所を終わらせたい。

 

というか終わらせないと非常にマズイ…

すでに帰りのフェリーを予約していて、明日の11時までに徳島のフェリー乗り場についていないといけないから。

 

昨日今日まわるルートを確認したけど、まぁなんとかまわりきれそうな距離だったけど余裕は全然ない。

何か想定外があれば今日中に88ヶ所まわれない可能性も十分ある。

 

 

しかも天気予報は最悪の雨だ…

 

 

意外にも根香寺までの道はそこまでキツい坂道はなかったので想定より早くお寺に着いた。6時半。

足早に参拝を済ませようとしたら雨が降り始めた。

 

小雨の予報だったのにフツーに本降りなんですが…

 

最終日にこれかよ…

 

まぁ最初と最後が雨とかヒジョーに自分らしいな、なんて思いながらお参りをすませる。

 

根香寺の本堂を囲むように通路があってその壁際に無数の仏像が奉納されていた。

ほんとにおびただしい数。

ボンヤリとあかりに照らされるその様子は、神秘的を通り越してヒヤッと寒気がする。

無数の人間の、無数の願いがこめられ削り出された顔のない木の仏像をながめているとちょっとした狂気を感じる。ちょっとゾッとするぐらい。

御朱印をいただいて次のお寺を目指す。

 

83番一宮寺(いちみやじ)だ。15キロほど離れている。

雨はあいかわらず強め降り続いていてやみそうもない。

ウィンドブレーカーのチャックを上まで上げフードをかぶって自転車をこぎはじめる。

 

しばらくはずっと下り坂なんだけど、雨の日は下のほうがより神経を使う。

スリップしたり、ブレーキの効きが悪くなるから自転車のコントロールが難しくなる。

 

当然スピードも出せない。

 

いつもの半分ぐらいの速度で山を下りきると少しでも時間を短縮しようとペースをあげた。

一宮寺に着いたのは8時ちょっと前、

参拝を終わらせるととてつもなくお腹がへっていることに気づいた。

そりゃそうか、昨日からロクなもんを口にしていない。

一宮寺の近くのうどん屋で朝食をとることにした。

かけうどん(温)の小あまりにもお腹が減っていたのでとり天も追加でつけた。

んんー…

まずくはないけどフツーのうどんの味。

まぁ極限に空腹だから何食べても今はウマいはウマいのだけれど…

 

昨日の食べたうどん屋さんが美味しすぎたのか。

ちょっとガッカリしながら再びペダルを漕ぎはじめる。

 

お次の屋島寺までは20キロぐらい離れている。

なんだかさっき食べたうどんに納得出来なかったので、ちょっとだけ遠回りをして高松でうどんを食べることにした。

 

唯一知っている、高松駅近くのおいしいうどん屋さんがある。

はやる気持ちを押さえて高松駅方面へと向かう。

 

高松駅付近は平日だからか通勤する学生さんや社会人の人たちが多い。

ようやくお目当てのうどん屋さんにたどり着いた。

 

 

あれ?

 

 

し、閉まっていやがる…

 

 

 

時間帯が早かったのか、お店は開いている気配がない。。。

 

む、無念…

 

ガックリとうなだれて自転車をこぎはじめる。

 

高松市の観光名所でもある屋島が見えてきた。

屋島寺はこの屋島と呼ばれる山の頂上にあるらしい。

 

今日は頂上付近に厚い雲がかかっていて山頂の様子はうかがいしれない。

てゆーかあそこまで登らないと行けないのか…

地図をみてある程度覚悟はしていたけどなかなかのハードワークになりそう…

 

 

予感は的中し、屋島寺の参道に入った瞬間からもうずっと上り坂、看板には頂上まで6キロとか書いてある。

 

予想外に距離がある…。

 

6キロて…、雨の中6キロて…

 

坂自体はそこまで急ではないのだけれど距離の長さがやる気を奪う。

 

 

たぶん晴れていれば絶景であろう高さまでのぼってきたけど、あいにくの雨でその素晴らしさを体感することは出来なかった。

 

 

1時間近くかけてようやく頂上に到着。

修学旅行なのか高校生らしき団体がバスに乗り込んでどこかに向かおうとしている。

そんな団体さんを横目に足早に参拝をすませた。

ふぅ…

ようやく3つめか…

 

でもあと4つ、4ヶ所でお遍路も終わりだ。

終わってしまう寂しさとかは皆無。まったくない。

 

今はとにかく早く終わらせたい、そんな気持ちでいっぱいだった。

 

屋島を慎重に下ってつぎの85番八栗寺を目指す。

屋島からは5キロほどしかはなれていないけど、ここもまた山頂にあるお寺だ。

 

幸いにもケーブルカーがあるらしいので遠慮なく使わせてもらうことに。

雲辺寺ロープウェイのときみたいにケーブルカー乗り場まで行くのもすでに坂なのでなかなかキツイ。

自転車を押しながらの坂登りは何度やってもしんどい。

雨で気温も低いのに汗をダラダラ流しながらやっとの思いでケーブルカー乗り場に。

昭和の空気をそのまま残したちょっと古めかしいケーブルカー。

山頂まではあっという間で5分もかからなかった。

往復で大人930円。

 

昔は賑わっていたのか今は誰も営業していないお土産やを通過して八栗寺を参拝。

参拝している間にすっかりカラダが冷えきってしまっていた。

すぐに下のケーブルカーに乗り込んだ。

 

さ、寒い…

さすがにお昼どきなのでお腹も減ってきた…

 

坂を下る途中、有名店らしいうどんのお店があったので寄ってみた。

山田家うどん。

人気のお店なのかかなり広い駐車場に車がひっきりなしに出たり入ったりしている。

全身ずぶ濡れ状態だったのでお座敷の席に案内されて若干居心地が悪い。

とにかくあったかい食べ物が食べたかったので

名物らしき釜ぶっかけ(卵黄付き)を注文。750円。

これがめちゃくちゃうまい!!!バカウマっ…

絶妙なうどんのコシと濃いめの出汁スープがハンパなくマッチする。

 

生き返った…

 

しあわせな気持ちでお店を後にする。

 

 

よーし、次だ!

お次は86番志度寺(しどじ)、距離は五剣山から12キロほど。

ちょっと田舎の町にあるお寺って感じで住宅街の丘にひっそりとたたずんでいるようなお寺。

けっこうあっさり到着。

雨は若干小降りになってきた。

ササッと参拝をすませて87番へ。

とうとうあと2つ!!!

残すは87番長尾寺と最後88番大窪寺でおわりだ!

もうすぐ終わると思うと自転車のペースも上がってくる。

87番長尾寺も多少道に迷いながらも着くことができた。

こっちのお寺も住宅地の真ん中にあるようなお寺。

ちょうど下校の時間なのか小学生が連れだってぞろぞろ歩いている。

おしっ、長尾寺の参拝も終了!!!

 

 

最後の大窪寺だ!

 

時間は3時をまわっている。大窪寺までは14キロぐらいらしい。

 

最後だけあってやっぱりけっこう山深いところにあるお寺だ。

ずっと登り坂だと間に合うかどうかかなり微妙なライン。

 

今まで以上にペースを上げる。

いつもなら自転車をおして上がるような坂も限界まで自転車に乗って少しでも早く着けるように必死に頑張る。

 

途中の道の駅で栄養補給。

パン2つとコーヒーを胃の中に押し込んですぐ出発。

 

あと少し、

 

最後、これが最後だ、、、

 

そう自分に言い聞かせて一歩一歩進んで行く。

 

 

そして、、、

 

 

 

ついに、、、、

 

 

 

ついに、最終目的地88番大窪寺に到着…

な、長かった。。。

 

毎日必死にチャリこいで16日目にして。。。

達成感というより、脱力感のほうが大きい。

 

気づいたらあんなに降り続けていた雨も僕を祝福するかのように止んでいた。

時間は16時。予定よりだいぶ早く着いた。

 

これが最後だ。

 

心を落ち着けて、じっくりと最後の参拝をすませた。

ついについに結願(修行の完了)!!!!!

 

静かな達成感。

 

飛び上がって喜ぶようなものではなくて、腹のそこからジワっとひろがっていくような、そんな静かな快感と疲労感が全身を包む。

 

 

終わったんだ…

 

 

 

終わってみれば意外にもあっさりとした感情で自分でも驚きつつ最後のお遍路を終えた。

 

 

さぁ、徳島に帰ろう。

ここの山を越えればすぐ徳島県。

 

といっても20キロぐらいあるのだけど。

今までの苦労を労うように、大窪寺から徳島県に入るまでの道はずっと下り坂だった。

 

完全に雨もやんで走りやすい。

 

なんとか無事に終われたんだ。

 

最初っからトラブルばかりでどうなることかと思った。

 

ブレーキ交換1回、パンク4回。

オマケにスマホも壊れる。

 

笑えないぐらいの苦難ばっかりだった。

5.6回はもう帰ろうかと思った。

 

とにかく最後まで自分で決めたことを完遂できてほんとうによかった…

 

 

 

最終日のご褒美として、綺麗なビジネスホテルに宿をとった。

静かな満足感に包まれながら眠った。

 

 

 

 

17日目につづく…

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